従軍慰安婦問題とは、「反日」日本人によって始まり、「反日」マスコミ界/学界/出版界によって広まり、政治家/官僚によって決定的となった。まずもって”国内問題”であるから、国内からこの問題の”火種”を一掃していく言論戦を繰りひろげなければならない。
従軍慰安婦問題には、狡猾なレトリック・論点操作、世論誘導工作が駆使されてきた。たとえば、「強制連行」したという事実自体がないいっぽう、慰安婦(娼婦)募集における業者の犯罪行為取締りや慰安所監視における軍当局の関与というまっとうで正当な行為について、論点をすりかえては問題視する。
この点、中川教授は 「従軍慰安婦強制連行」という嘘には、二つの狡猾なレトリックがあると、明確に指摘している。
《第一のレトリックは、「従軍慰安婦」に「軍が関与」したという、当り前のことを強調し、「軍が女性を凌辱」という嘘イメージに連鎖させていく、それである。「従軍置屋」の慰安婦に対して、軍が性病検査その他の関与をするのは至極当然である。・・・・・・朝日新聞が騒いだ、陸支密第七四五号の「軍慰安所従業婦等募集に関する件」(一九三八年三月四日)は、むしろ逆に、日本軍が実に立派な軍隊であることを証するものであった。》 〔文中「・・・・・・」は引用者による中略をあらわす〕
戦時中の外地において、軍当局が取締りに当たったのは「至極当然」であり、なんら咎められることではない。公娼制度がなくなった現在でも、風俗業者はやはり行政(警察庁)が取締まっているではないか。公娼制度があった時代に取締りが必要となるのもまた「至極当然」である。
今日の風俗業従事者の中には、個人の事情によってそうせざるを得ないものもいよう。喜んで従事している女性ばかりではあるまい。”人権”論者は、行政機関による今日の取締りも不法であり、ある種の女性が犠牲になっているから女性の人権をふみにじっており、警察が組織として風俗嬢を強制連行し凌辱している、とでもいうのだろうか。特に朝鮮人慰安婦の「強制連行」が立証されていない以上、彼らのレトリックにしたがえば、世論をかくのごとく誘導していることになる。
《第二のレトリックとは、売春そのものを批判・避難する立場(見解)をもって、「従軍慰安婦」の問題と混同したり、すりかえをしていることである。例を挙げる。
『従軍慰安婦』の著者である吉見義明は「慰安婦制度とは、特定の女性を犠牲にするという性暴力公認のシステムであり、女性の人権をふみにじるものである」と、威勢よく非難している。ということは、吉見義明において、「従軍」の「移動赤線」の「公娼」になったこれらの女性は、「従軍置屋」制度がなかったら決して公娼や私娼を含めて売春婦にならなかったはずだと主張していることになる。なんと出鱈目な詭弁であろうか。「従軍慰安婦」の多くは、内地や韓国においてすでに公娼であったり私娼であった。収入が必ず三倍以上になるので、その「職場」を変更しただけである。
また、吉見義明は、「公娼」をもって「特定の女性を犠牲にするという性暴力公然のシステム」と定義して「女性の人権をふみにじる」と結論づけている。この定義の可否は脇におくとすれば、吉見とは、公娼の売春婦は女性の人権をふみにじられているが私娼の売春婦は女性の人権が守られていると考えていることになる。
だが、私娼の多くは暴力団その他に管理されており、当時でも私娼のほとんどは公娼よりはるかに悲惨な状態にあった。公娼制度がなくなった現在でも私娼の何割かは極度に不幸である。公娼にだけ目鯨をたて、私娼には沈黙する。吉見の差別の論理と意図は何であろうか。》
〔改行は引用者による。以上、引用終わり〕
今回、これら二つのレトリックを駆使し、大阪市役所という公共施設で仰々しく記者会見をおこなった吉見義明・中央大学教授こそ、あたかも軍の関与があやまっているかのごときミスリードをなすべく、朝日新聞に陸支密第七四五号文書を提供した当事者でもある。
吉見氏は、中川教授の問い、すなわち《売春のすべてを「女性の人権」問題であると仮に考えていると主張するならば、平成日本の豊かな女子中・高校生が、高価なブランド製品欲しさにあの醜悪で悖徳の売春(「援助交際」)をしている問題を、「女性の人権」問題だと一言も発しないのはなぜだろうか》という問いに、明確に答えるべきではないだろうか。 さぞかし立派な言動をもって女性の人権を守ってこられたにちがいないのだから。
もし答えられないのならば、吉見氏らのいう”人権”とは、日本をおとしめることに役立つことには躍起になり、政治的に利用価値のない”人権”は問題にしない「反日政治屋」「反日運動家」の煽動概念であることを、みずから証明したことになる(経済的貧困から慰安婦にならざるを得なかった女性たちを、運動のためにさらしものにしている人たちが”女性の人権”と言っているそのこと自体が、彼らの正体を証明している)。
従軍慰安婦問題とは、つねに問題でありつづけるよう、巧妙に仕掛けられてきた謀略工作である。”ゴールテープを切ろうとすると、ゴール地点が延びていく”、まさにこうした状況が長いあいだ続いてきた。これに政治・行政の事なかれ主義があいまって、ついには外交問題に発展してしまったのだ。 ”小中華主義”に堕した韓国や中共の反日政策・ロビー活動をわきにおけば、この問題が一義的には国内問題であることを了知しなければならない。
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